クルマ関係の事故関連で気になるニュースがあったので書いてみます。
歩行者が夜間に道路を横断中、車にはねられた昨年1年間の全国の死亡事故625件のうち、96%の車のライトがロービームだったことが警察庁の調査でわかった。
夜間、乗用車が歩行者をはねた625件事故の内訳が
- ロービーム:597件
- ハイビーム:9件
- 補助灯:6件
- 無灯火:13件
とのことで、ロービーム時が圧倒的に多い状況になっています。さすがにロービーム時が多いということで、警視庁からもお知らせがあったようです。
なぜロービーム時が多いのかを考えてみましょう。
そもそもロービームとは
一般的なヘッドライトには、ロービームと言われるものとハイビームと言われるものがあります。この2つがいわゆる前照灯で、あとは車幅灯と方向指示器ですね。
前照灯は2種類ありますが、原則として夜間はハイビームで走行することになっています。ハイビームだと対向車が眩しいから点けないと言っても、もともとがそのようになっています。
- ロービーム:すれ違い用前照灯
- ハイビーム:走行用前照灯
と正式になっているように、走るときには「走行用前照灯:ハイビーム」、対向車とすれ違う時と前走車がいるときは「すれ違い用前照灯」にするというのが決まっているのですね。
ロービームは約40m、ハイビームは100m以上照らすことができるものになっていますので、実際の走行もハイビームが原則になっています。
ロービームでの事故が多い理由
なぜここまでロービームの事故が多いかという話ですが
- ロービームが基本になっている
- ハイビームの使い方を知らない
- ハイビームにするのが面倒
などがあります。
ロービームが基本になっている
ハイビームにするタイミングが少ないドライバーは、常にロービームで走行します。
市街地など対向車がたくさん通ったり、前走車が常にいる状態ですとハイビームにする必要がなくなります。そういう地域の方は前がよっぽど見えない場所にクルマで行かない限りはハイビームの存在を忘れています。また、前に対向車や前走車が居なくても忘れっぱなしの場合もありますで、ハイビームを点けないで走ることもあるでしょう。
ハイビームの使い方を知らない
めったに使わないハイビームは、使い方を忘れてしまう人もいるようです。主に国産車はヘッドライト自体はスイッチを回すと点灯しますが、そこだけ覚えていてレバーを前に少し倒すハイビーム点灯を覚えてない方もいらっしゃいます。
必要ないクルマの機能は結構忘れてしまいますので、ある意味仕方ないところもあります。
ハイビームにするのが面倒
覚えていてもハイビームにしない方もいます。対向車が時々来るような場所ですと、ハイビームとロービームの切り替えが頻発します。そういう場所ですと、わかっていても面倒でハイビームにすることが無くなってしまうかもしれません。
場所によると1分に5~6回切り替えて戻すようなこともありますので、さすがに面倒ですし、集中力も散漫になってきます。
ロービームでの事故を防ぐために
ハイビームでは発見できても、ロービームでは間に合わなくて当たってしまうこともあるでしょう。その場合は、当たった方も不幸ですし、当てた方も悔いが残ってしまいます。
その為にはどのようにすれば良いでしょうか。
ハイビームが要らない道を走る
そもそもロービームでも見える道を走ります。つまり、明るい所ですね。明るい所で走れば単純に事故率が減ります。
早めにライト点灯をする
この数年は早めのライト点灯を啓蒙する運動が行われています。
警察庁の統計「時間帯別死亡事故データ」で、16~20時の事故発生が突出しているとあります。
これは、周りの明るさが急変する時間帯に事故が多いということですので、早めにライトを点灯して周りに存在をアピールすることが推奨されています。歩行者が気づけば事故も減るということですね。
ハイビームをこまめに使う
基本的かつ面倒ですが、その都度ハイビームとロービームを切り替えます。
周りの状況にも目が行きますので、安全運転に繋がる場合もあります。しかし、その分集中力も使いますので疲れやすく、長時間の運転は大変になるかもしれません。気合と休憩で乗り切りましょう。
オートハイビームのクルマに乗る
最近の車や高級車が主ですが、オートライトやオートハイビームが装備されているクルマがあります。
オートライトは、暗くなってきたら、車幅灯、前照灯を点灯する機能です。
オートハイビームは、対向車、街灯、前走車が居ないときにオートでハイビームにするというよりも、機能的にはハイビームが通常で、対向車、街灯、前走車を発見したらロービームにする機能です。基本がロービームの人が多すぎるので「オートハイビーム」という通称があるのだと思います。本来は「オートロービーム」となりますね。
この機能を使うときは、「ライトをオート点灯設定でハイビーム位置」にするころになります。
我が家のエスクァイアもクルマ本体に「オートライト」が装備されていて、トヨタセーフティセンスCに「オートハイビーム」機能がありますので、面倒くさがりの自分は常に「ライトをオート点灯設定でハイビーム位置」にしています。明るいときは点灯しないので非常に楽です。
トヨタ車に興味があるなら、トヨタセーフティセンス(TSS)を知っておこう
また、将来的にはまだ出回り始めたばかりの「ハイビームの照射範囲を制御してハイビームのまま走行できる」クルマも普及してくるかもしれませんね。
まとめ
いきなり横断する人がいる限りは、いつどこでクルマを走らせていても安全な場所はあまりありません。
特に高齢者が無理に横断してそこに当たってしまう場合もかなり多いので、常に注意は必要です。
しかし、ドライバー側もできるだけ事故を起こさないように、ある意味自己防衛をして交通事故を無くしていければと思います。○