日々生活していると、細かい認識の差が人によって差が出てくることがあります。
その一つが以上、以下というものです。
「以」がある熟語
生活の中でよく使うと思われるのが
- 以上、以下
- 以前、以後
- 以内
- 以外
あたりでしょうか。
「以」は範囲・方向などの基点を示す言葉になり、原則としてそれを含むものになります。
以上・以下(含む)
つまり、10以上の場合は10は含むかというと含むということになります。以下でも同じ。
10を含まない場合は、以上・以下ではなく「10より上、10超・10未満、10より下」などと表記することが多いです。
以前・以後(含む)
以前・以降は期間を表すことになりますので、範囲よりになります。例外もあるので結構面倒ですね。
- 2010年以前・以後:2010年含む
- 12月以前・以降:12月含む
- 10日以前・以降:10日含む
- 8時以前・以降:8時は一応含む(以前)、8時は含む(以降)
- 8時10分以前・以降:8時10分ちょうどは一応含む(以前)、8時10分は含む(以降)
- 秒単位も同じ
- 明治時代以前・以降:明治時代含まず(以前)、明治時代含む(以降)
となり、日付と時間などでの扱いが少々違う感じがしますね。
以内(含む)・以外(含まない)
以内・以外は数や範囲で使いますが、少々特殊かもしれません。
- 10日以内:10日後まで
- 10個以内:10個以下と同等
- 関係者以外:関係者を含まない人たち
- 10以外:10を含まない全ての数
「以外」は明らかに「含まない」使い方なので、感覚的にも特殊ですね。
「~から~まで」もおさらいしておく
~から~までも同じように、その部分を含みます。
1日から20日まで、10円から1,000円までなどのように使いますが、その場合は通常1日と20日、10円と1,000円も含みます。わかり易い例ですと、「新大阪駅から東京駅までいく」というと、出発の新大阪駅と目的地の東京駅が含まれることがよくわかりますね。
とは言え注意点もあります。
特に2月まで休めない、のような表現をする時は、2月のどこまで休めないかがわかりにくいです。2月に入ったら休めるともとれますし、2月までという表現で2月いっぱいも休めないとも取れます。ですので、特に1,000円などのような点ではなく2月という1ヶ月に及ぶような範囲に使うときは、もうちょっと言葉を足してわかりやすくする方が良いです。
例えば2月いっぱいまでは休めない、となれば文法的にはさておき2月の時点では休めないという意味として通じやすくなります。2月になるまでは休めないとなると、2月になった時点で終点を迎えるので休めるようになるとわかります。
特に日付などのように、終点が範囲の場合は、なるべく範囲をしっかりと分かるように伝える方がおすすめですね。
「以上・以下」などの「以」のまとめ
「以」は、範囲・方向などの基点を示す意味があり、基点ということでそのものを含むのが普通です。ですが、例外もあって誤解をしやすい語句ですので、使うときは少し言葉を足してわかりやすくするのが良さそうです。
数値などでは含みますが、期間や日付などになるとケースによって用法が変わってきます。そういう場合は、以前・以降という言葉だけを使うのではなく、補足として正午や10時ちょうどなどの点として扱える基準を入れていきましょう。
そうすれば、意味の取り違いによるトラブルも防げますので、特に仕事上で大変なことに繋がることを防げます。
期間を定める場合は、できるだけ細かく、誤解が生じないように伝えるようにしていきましょう。○