ここ最近、クルマの自動ブレーキというフレーズが一般的に広がってきました。
しかし、自動ブレーキというシステムを誤解している人が半数というアンケート結果が出たとネットニュースにも流れていて、改めて衝突安全システムの説明をきちんとしないと事故が防げないケースが出てくると指摘されています。
ここで、自動ブレーキと言われているシステムのおさらいをざっくりとしてみましょう。
自動ブレーキと言われるもの
現在世間で言われているクルマの自動ブレーキですが、これは大抵のものは
「前方への衝突を防いだり軽減するために自動的にブレーキをかけるシステム」
のことです。つまり、正面衝突事故の回避や被害軽減をクルマのブレーキで自動的に行う装置です。
衝突時のエネルギーは、質量に比例し速度の自乗に比例します。よって、自動的にかかるブレーキによってクルマのスピードを落としてエネルギーを減らすことが、事故回避と被害軽減に繋がるという理屈ですね。
実際の作動としては、衝突事故が起こるであろうギリギリのタイミングでクルマを減速して、事故の被害を少なくする形になります。
ですが、それを過信したり誤解したりして「ブレーキを踏まなくても自動的にブレーキ操作をしてくれるシステム」と思っている方が多いとのことで、注意喚起が必要な状況とされました。
自動ブレーキシステムの注意点
安全装備として普及してきている自動ブレーキシステムは万能ではありません。
必ずブレーキがかかるわけではない
色々な条件で自動ブレーキが作動しない可能性が常にあります。強い雨や霧が深かったり、歩行者や自転車は反応しなかったり等、理由はいくつもあります。好条件で動作はするはずなのですが、油断はできません。
自動車のメンテナンスが必要
基本として、ブレーキの状態やタイヤのすり減り具合などの状況によってブレーキ制動力は変わります。自動ブレーキシステムもクルマのブレーキを使っている以上、つるつるで溝がないタイヤや摩耗したブレーキパッドを使っている場合はブレーキが効かなくなり、結果として自動ブレーキシステムが作動してもクルマが止まらないという可能性があります。
また、稀にですがセンサーなどの故障によって自動ブレーキシステム自体が使えない場合もあります。
最後に
自動ブレーキシステムは、危ない時に作動するのが基本です。事故の回避や被害軽減をサポートするシステムですので、通常の運転のブレーキ操作を代わりに行うという性質のものではありません。
自動運転が出てくるまでは、クルマはドライバーが責任をもって操作して、事故が起こらないように運転を行いましょう。○