三菱自動車の意図的な燃費の不正問題が取り沙汰されていますが、新たにスズキ自動車も規定外の測定を行なっていたと発表しました。
「あのスズキまで?」と、さらに自動車業界が騒然とした話になりましたが、どのような状況でしょうか。
スズキ自動車の場合
スズキ自動車が使っている海に近いテストコースの気象条件に合わせて、規定外の方法を使用したとのことです。海に近いので風等の影響が強く、その分補正をかけたりしたのでしょうか。とは言え、スズキ自動車の名物会長である鈴木修会長が、「燃費の差はわずかで問題はない」と説明していますので、実際の燃費表示が大きく変わるようなことは無さそうです。
消費者の立場から見ると
三菱自動車のような、意図的な燃費の不正は言語道断ですが、スズキ自動車の場合でも多少の嫌悪感にも似た感覚は残ってしまいます。
消費者は原則として、「同じ条件で測定したデータ」を比べてみたいものですので、実際燃費の乖離がなくとも本当かどうかは信じ切れないのですね。
逆に、実際は違っていたとしても「同じ条件で測定したデータ」だと言えば、それを信じますし信じるしかありません。ですので、行政が設定した「同じ条件で測定したデータ」というのは結構重要なのですね。
今回のケースですと
- スズキ自動車の場合は、「同じ条件で測定したデータ」に近づけるために不正をした。
- 三菱自動車の場合は、「同じ条件で測定したデータ」と偽って不正をした。
という、全く違う内容になっています。ですので、規定外の測定をしたという点では両社とも一緒ですが、内容としては全く違うのですね。しかし、消費者は規定の条件で行うということを望みます。
ですので、測定条件に合ったテストコースを設定して基準通りのデータを取って新たに発表し直すことを望む消費者は多いのではないかと思います。
最後に
日本の消費者は、クルマの燃費についてはかなり神経質になっているくらい気にしています。実際の燃費とは違うのは仕方ないにしても、同じ条件での燃費というものはかなり重要な位置づけで、それによってクルマの売れ方が変わるくらいのものになっています。
そういった消費者の強い欲求から、特に潤沢に資金を使えない企業や技術がまだ足りなかった企業は不正を行いがちになるのですね。
そしてそのまま見つからなければいいだろうという状態になり、問題点が明るみになって大騒ぎになります。さらに不正を1回行なってしまった企業は、他のことでも不正を行いやすくなります。楽ですから。
競争原理は資本主義社会の常ですので、こういうことは無くなることはまずありませんが、消費者の損にならないような商品を提供して欲しいと願うところではあります。
あとは、この先、変な測定方法や難しい測定条件を国側が設定しないことを祈りましょう。○