最近自動車メーカーでの不正行為がよく露見されるようになってきました。最近はフォルクスワーゲングループでのディーゼルエンジン車の排気ガス問題がありました。
今回は国内メーカーの三菱自動車が不正を行なっていたということが明らかになりました。
今回対象の「デイズ」「デイズルークス」は日産自動車からしてもOEM供給されるだけではなく、開発自体にも関わったという重要な軽自動車になっています。
そのクルマを含めて不正が行われたと日産自動車側から発覚したということで、かなり大きな問題になりそうです。
なお、現在日産自動車が販売している、モコ、クリッパーはスズキ自動車からのOEMなので今回は関係ないのでご注意を。
三菱自動車の不正問題
最近は忘れられかけていましたが、三菱自動車はかつてのリコール隠し問題でかなりの経営危機に陥りました。アウトランダーのような「社運を賭けた」クルマが当たったのもあって、近年は業績は回復して問題は忘れられていました。
そんな時に、今回の不正が出てきました。
内容は、燃費のデータを取るための検査機器のデータを改ざんして報告したということです。燃費を測る際に、「道路を走る時の抵抗」を数値化した走行抵抗値というものがあります。これはクルマの空気抵抗、タイヤの抵抗などの走行中の色々な負荷を数値化して、それを基に燃費計算をします。つまり、本来算出される走行抵抗値よりも有利な抵抗値を採用すれば、燃費として出る数値が良くなるのですね。
そういう、メーカー内で算出されるデータを悪用してクルマを販売したものの、OEM先の日産自動車が次期車両を開発するためにクルマのデータを取ったら数値が異常だったので発覚したのです。
不正が明るみになってからどうなるか
今回のOEM先である日産自動車から指摘されて明るみになった不正で、三菱自動車はリコール隠しよりも大きな経営危機にさらされることとなるでしょう。日産自動車からも何かペナルティがあるかもしれません。
その上、実際株価もストップ安になっておりますし、市場や世間の評価はかなり落ちて、ただでさえクルマが売れない時代に起きた関係上、信頼を取り戻す前にどうにかなってしまう可能性が出てきました。
そういう会社の体質なのでしょうから、淘汰されるのは致し方ありません。大きな会社とはいえ、何か大きな不正があれば会社は傾いていき、そのまま倒れるかもしれません。あの東芝もそういう状態になっていますね。
やってはいけないことに手を出してしまうと、戻ることは大変です。やってしまったことを言い出せず、どんどんクルマが売れていけば明るみになった時の損害も大きくなるのでなおさら言い出せず、結局は外部からの指摘で発覚して倒産に直結するような大問題になります。
不正を行なって切り抜けようとするのは、その場では簡単かもしれません。しかし、実際はできてない事柄ですので、あとから大変になることが多いです。
三菱自動車がこの先どこまで耐えて、なんとか凌げるか、それともどうなるかが自動車業界では見守られていくでしょう。
最後に
自動車業界は少子化などの日本の状況によって先細りしてくと思われている業界です。そういう流れの中で、今回の不正行為で三菱自動車と日産自動車のクルマに少なからず影響が出ます。
OEMのデメリットが今回出た形の日産自動車も結構面倒な対応に追われることでしょう。
不正行為はしない、というごくごく基本的なことを忘れないようにしていただきたいと思います。○