人には色々な欲があります。
本能的な欲と言われている睡眠欲、食欲、性欲。それ以外でも、物欲、支配欲、名誉欲、独占欲など「欲」という文字はいたるところに出てきます。
欲によって人の道を踏み外したり、本当は願ってもない状況に陥ったり。自分の人生を豊かにするにも必要ではありますが、過ぎた欲は身を滅ぼす可能性もあります。
ですが、人生のひとつのテーマとして、「欲」を満たしたり、「欲」と戦ったりすることは避けることはできません。避けることが出来ないのであれば、どのように「欲」と付き合っていけばいいのでしょう。
自分をおとしめないためにも、うまく「欲」を制御していきましょう。
人生は欲との戦い
言うのは簡単ですが、欲と言うのはすごく奥が深いです。
欲を勉強するとそれだけで一生かかるようなものになってしまいますので、普段生活する上では、できる範囲にとどめて深く考え過ぎないようにしておきましょう。それでも、きちんと勉強するぞ!という場合はこの限りではありません。
睡眠欲と戦うといっても、眠たい時には寝ないといけませんし、食欲と戦うといっても、本当に身体に必要な時は食べておかないと、生命に関わってきますので、はじめは身体などに無理はかけないところでの努力をするという感じでも良いと思います。
欲と付き合う
欲求、欲望と書かれている通り、「自分が欲しているもの、事柄」ですね。
欲しい事柄が解決すると、安心して気持ちよくなり快感を覚えるようなもの。欲は、感情も含めたものとして付き合っていくものになりますね。「不安->解決->喜び」の繰り返しでしょうか。
言うまでもなく、不安でいるよりも安心していられる方が良いです。しかし、安心してばかりいるとそれに慣れてしまい、新たに欲が出てきたりして不安や不満が膨らんできます。それが人ですので、欲が出た時にはそれが不幸せな方向に行くものかどうか考えてみましょう。
例)被災地でありそうな状況
最近地震など災害が多いので例にあげてみます。
被災して避難
運悪く、住んでいたところから避難所生活になったとき、幾つかの考え方が出てきます。
「なんで自分がこういう目に合わなければならないんだ」と、自分に起きた事を恨めしく思うかもしれません。これ自体は本音としては仕方ありません。そこからどう考えるかですね。
- 自分ではなく、他の人なら良かったのに。
- でも、命が無事だったから良かった。
これだけでも「人としての器」として捉えられる部分で、心の負担の差が見えてきますね。心の余裕が無いと、欲も強く出てきて不安や不満がさらに強くなってきます。自分のことだけをしか考えられなく、そして、感情も荒ぶってきてしまいさらに余裕がなくなり、という悪循環になります。
こういう中でも、良かったと思える事を考えることができれば、少しは心にも余裕が出てきて冷静さが生まれ、先のことも考えることができるようになるかもしれませんね。
心の余裕を持つことは、思っている以上に良い事なのです。
避難生活で食べ物が配られた時
日本は結構、有事の際でも食料がそんなに途切れないようなシステムがあります。避難所生活で周りで食料が確保できなくても、いくらかの食料が配られます。やっと食べ物にありつける!と喜びますが、その後どう考えるかでまた心の負担も違います。
- これだけ待ったのに、食べ物はたったこれだけか
- 食べ物を食べることが出来て、感謝
極端ですが、これもひとつのケースです。感謝の気持ちがあれば、比較的落ち着いていられるでしょう。しかし、欲や不安な気持ちが勝ると、食べたい欲求、早く安心したい気持ちなどがストレートに出てきます。そういうのが出てくる事自体は仕方ないかもしれません。ですが、出てきてもそこでさらにどう考えるかも重要になってきます。
- 役所は何をやってるんだ!早くなんとかしろ!
- 今は自分ではどうにもならないから、大人しくしておこう
自制せずにいると、どんどん余裕も無くなってくるかもしれません。
「人間ができてる」と言われる人でも実際は欲や不安があるでしょう。しかし、そういう時でもどのように余裕を作るか、と考えることができるのかもしれません。
そして「できてない人」は、欲や感情に振り回されて荒れてしまい、周りの人に敬遠されたり、危ない人とか思われかねません。
そういうあらゆる細かい所々での考え方や行動の積み重ねが人生の幸せ度合いに影響してくるでしょう。
欲を満たすと、他の欲も軽くなる
欲の種類にもよるかもしれませんが、何らかの欲が満たされると、満たされた分喜びが増えて不安が減り、他の欲が感じにくくなる場合があります。
ごはんを食べる
- 好きなもの:美味しかった~~~!満足!
- 普通のもの:ごちそうさまでした!
- 嫌いなもの:ごはんを食べたけれど口直ししよう。
くらいの満足度の違いがあるでしょうか。
食欲が満たされたとしても、他の欲などが更に満たされるかどうかでも変わってきます。小さなことの積み重ねの違いが、後々大きな差になってくるかもしれませんね。
このケースでは、同じお金を出すなら好きなものに使いたいというところも合わせて解消できて幸せ度合いがアップしています。避けられる不満などは避けて、幸せな方向でいってみましょう。
満足度が大きいと、幸せ気分が出てきて、幸せ気分の時は他の欲求は出にくくなります。幸せ気分を味わうために欲を満たすようなものですから。
最後に
今は色々と生きていくために厳しい状態になってきています。生きていくために必要な収入が減っていき、税金などの支出が増えていく世の中です。
そんな中、自分の人生を危険にするよりも自分の人生が幸せになっていけるように、止めどなく出てくる欲を満たしていければ心の負担が減って人生も少しずつ楽しくなっていくのでは無いかと思います。
もちろん、自分の力だけでは解決できないものもあります。生まれた環境など、人それぞれの部分もあります。
しかし、意味なく人生を危険な方向に進める必要はありません。可能な限り、幸せに向くことができるよう欲を満たしていくことができれば良いですね。○