お茶のニュースが流れてきたのが気になったので取り上げて見たいと思います。
公益社団法人日本茶業中央会が抹茶の定義を26年ぶりに改定するという話題でしたが、抹茶という言葉はよく聞いていたのですが、実際抹茶とは何かというと「粉のお茶」くらいしか知識はありませんでした。
改定において、お茶自体と製法を明確にするとのことなので、この際抹茶について覚えておこうと思います。
抹茶の定義について
世の中には抹茶と言われる製品はたくさんありましたが、抹茶の定義はいまいち浸透していませんでした。実のところ現在でも簡単な定義があるようです。
それが「てん茶を碾臼(ひきうす)で粉にしたもの」のようです。
てん茶と言われるものを臼でひいて粉にすれば抹茶と言われるものになります。定義は現在は簡単ではあるのですが、あまり馴染みがない「てん茶」って何?という話になります。てん茶から作らなければ抹茶にはならないので、てん茶とは何かも知っておくことになります。
てん茶
抹茶で言うところのてん茶とは「遮光して栽培した緑茶を乾かしたもの」になります。玉露と似ていますが大きな違いがあり、玉露は「手もみをして乾かす」、てん茶は「手もみをしないで乾かす」という点です。ぶっちゃけ、てん茶はドライヤーで乾かしているのもありますので、大量生産に向いています。逆に玉露は手作業が入りますのでどうしても高価なお茶になってしまうのですね。
ちなみにこのてん茶を漢字で書くと「碾茶」と書き、よく聞く「甜茶」とは別物です。簡単に言うと
- 碾茶:遮光して栽培した緑茶
- 甜茶:緑茶とは違う種類の茶葉
になります。抹茶で使うのはひくために作られている碾茶のほうですね。
碾臼(ひきうす)
碾臼は穀物などを粉にする道具で、日本では挽臼という言い方もします。最近は昔ながらの石臼のようなものを使っていないので、碾臼として表記されている感じがします。
抹茶と粉末茶の違い
ざっくりいうと、抹茶の製法に則っていれば「抹茶」、それ以外の粉末になったお茶が「粉末茶」です。2017/06に定義が改定されますが、その定義に則っていれば抹茶と言えるものになります。2017/05現在では「てん茶を碾臼(ひきうす)で粉にしたもの」なので、「遮光栽培した緑茶で作ってん茶を臼で粉にしたもの」が抹茶になります。
遮光して栽培した緑茶という条件があるのですが、そうではない茶葉を引いただけのものを抹茶と言って販売している業者もいるかもしれません。そういう製品を実際に消費者が見てもわかるかどうかはちょっと疑問ではありますね。
まとめ:抹茶は抹茶、粉末茶は抹茶以外
抹茶は「てん茶をひいて粉にしたお茶」で、粉末茶はそれ以外の粉末状のお茶になります。
緑茶をひいてしまうと、ひと目で抹茶かどうかはわかりませんので、製造しているところが抹茶と言えば抹茶と思うしかないかもしれません。消費者としては美味しければどちらでも良い気もしますが、やはり抹茶の定義が改定されるということは抹茶というブランドを作るということにもつながりますので、抹茶に馴染みのある文化の日本では覚えておいて損はないと思います。
スシローで販売している抹茶入り粉末緑茶は、抹茶と抹茶ではない粉末茶のブレンドということがひと目でわかりますね。○