主に呼吸器系の疾患があると、在宅酸素療法(HOT)を行うことがままあります。我が家でも在宅酸素療法を取り入れることになり、酸素濃縮装置がリビングに鎮座しています。
在宅酸素療法は、通常の呼吸では酸素を十分に取り入れにくい人が行う方法なのですが、酸素は足りなくても多くても身体によくありません。ですが、医師の指導があるとは言え、状況によってはどのくらいの酸素量を適用すればよいかが分からないことがあります。
一般家庭において在宅酸素療法を行う時にあったほうが良いものを揃えておいて、できるだけ安全に運用していきましょう。
在宅酸素療法であったほうが良いもの
在宅酸素療法を行う際に、必要になるものは酸素を供給するシステム一式です。これは在宅酸素療法を導入する時に家に設置されます。
その他にあったほうが良いものは、
パルスオキシメーターです。
酸素は多くても駄目ですし少なくても駄目なので、適正な血中酸素の量の目安を求めるためにはかなり重要なのです。パルスオキシメーターは血液中の酸素飽和度を測る機械ですので、身体の中の酸素が足りないかどうかを知るには一番お手軽な機器になります。介護の現場でも使われているので、体調管理には重要な機器だと言えます。
在宅酸素療法を取り入れたのであれば、ぜひパルスオキシメーターも導入して、より安心できるようにしたいところです。
パルスオキシメーターについて
パルスオキシメーターは、「動脈酸素飽和度を経皮的に測定する機器」です。求められる数値は「経皮的動脈血酸素飽和度:SpO2」と表記されます。動脈血液のヘモグロビンがどのくらいの割合で酸素と結合しているかの数値で、最高が100%。96~99%ほどが正常値で、90以下が呼吸困難などが起こる目安と言われています。
血液が体中に酸素を運ぶことができているかという数値ですので、普通に呼吸ができていてもSpO2の数値が普段よりも低いと酸素が足りないということになるので、もっと酸素を体内に多く取り入れさせる必要があります。
医師の指定の酸素量で在宅酸素療法を利用するのも良いのですが、必ずしもそれが適正かどうかはその状況にならないとわかりません。安静時は少なくて大丈夫でも、労作時(動いている時)は多く必要になるので、その時々に合わせた酸素量を把握するためにもパルスオキシメーターはあったほうが良いのです。
ざっくりとした測定方法
パルスオキシメーターはいくつかの種類がありますが、使いやすいものを選んで良いと思います。
手の指に挟めばSpO2が測定できるタイプのを使うと、1日に何度も測るときでも楽ですね。こういうタイプであれば、SpO2を測りたい人の指に挟むだけで自動的に測定がされて、SpO2と脈拍数が表示されます。
指に挟めば測定できるので、難しく考える必要はありません。毎日測って平均値がある程度わかるようになれば、それよりも高ければ問題ないですし、低ければ酸素が不足しているという目安になります。咳が出るだけでもSpO2は下がることがありますので、何かあれば測定できる状態でいるのが良いです。
在宅酸素療法でのパルスオキシメータ運用方法
我が家でやってみたところ、運用上では難しく考えることはあまりありません。
基本は医師の指示通りの酸素量で在宅酸素療法を行います。安静時や就寝時と労作時の酸素量は違うと思いますので、その都度酸素量を変えます。ですが、安静にしていてもSpO2が少ない場合もあるので、時々測って低い数値になっているかどうかを確認しましょう。
SpO2が低ければ、酸素量を一時的に少し増やして安定するのを待ちます。普段より高くなってしまったら酸素量を減らして身体に影響が出ないようにします。
パルスオキシメーターを使うことで、SpO2が低い時にも対応できるようになるので、医師の指定酸素量だけの運用よりは精度が上がります。苦しい時はもちろんのこと、安静時でも時々測ってみて安定しているかどうかを確認しましょう。
まとめ:パルスオキシメーターは毎日使って計測しておこう
在宅酸素療法は、身体の酸素不足を解消する方法です。体内へ十分な酸素が送られないと、身体の機能が低下してさまざまな不具合が起きてしまう可能性が増えてしまいます。
呼吸困難と思われる人は、身体が衰弱する前に医師に診てもらって治療をしてもらい、場合によっては在宅酸素療法を取り入れるかも知れません。血液の酸素飽和度を測定することができるパルスオキシメーターは、身体が酸素不足になっているかどうかの目安を知ることができるので、家にいても安心度がかなり上がります。
在宅酸素療法を取り入れる際にはもちろんのこと、健康管理の為にも手軽に使うことができるパルスオキシメーターを導入してみてください。