最近雪崩で高校生が亡くなったというニュースが踊っています。
非常に痛ましい事故で、何をしていれば助かった、何が悪かったという話が出てきています。もちろん原因究明は重要ですが、現場ではどうするかが大切です。
実際に雪崩に巻き込まれるようなことがあれば、出来る限り助かるように行動しなければなりません。ですが、いきなりのことですので、いくつもの事は実行できないので、2つの点だけは覚えておきましょう。
雪崩は逃げようがない
雪崩がいきなり起きたら、逃げることは困難です。特に表層雪崩といわれる雪の表面が滑ってくるものは、スピードが早いので必ず避けられるものではありません。ですが、だまって雪崩に巻き込まれることはないように逃げるのは基本です。逃げる方向は、雪崩が来る方向とは垂直方向、つまり横に逃げます。
雪崩に巻き込まれたらやること
雪崩に巻き込まれるようなところに行かないのが根本の解決方法ですが、そういうわけにもいかない時もあります。万が一雪崩に巻き込まれると、生存確率は運が良ければ助かるかもしれないというくらいになります。生存確率を上げる方法としては
- 口や鼻を保護して雪が入らないようにして、エアポケット(隙間)をつくる。
- 上が分かれば雪の上の方に出られるようにもがく
となります。これが覚えておきたいポイントです。
口や鼻を保護して雪が入らないようにして、エアポケット(隙間)をつくる。
雪崩に巻き込まれた時に亡くなる原因で一番多いのが窒息です。雪の中では絶対的な空気量が少なくなりますので、すぐに必要な酸素がなくなってしまうのです。また、気道に雪が入っても窒息しますので、雪崩に巻き込まれたときは鼻と口を雪が入ってこないようにガードして、さらに鼻と口の周りの空間を作っておいて空気を確保します。それだけでも2~30分ほどは生きながらえる可能性があります。
雪の流れが止まったのであれば、できれば、顔の周り、身体の周りにも隙間を作れれば、空気量もより確保できますし、雪に触れる部分が減って体温も多少なりとも低下を防げるかもしれません。
エアポケットが無ければ10分そこそこで意識は無くなってしまいますので、少しでも空気を確保できれば自分から脱出できなくても、生きている間に見つけてもらえる可能性が増えます。
上が分かれば雪の上の方に出られるようにもがく
雪崩に流されているときはよくわからないですが、もし雪の上への方向が分かれば、その方向に身体を持っていくようにもがくことも大切です。闇雲には動けませんが、雪の表面に近ければ近いほど生き延びる可能性が高まります。手が表面に出せたらそれだけでもかなり有効です。
まとめ
雪崩に巻き込まれたら、意識を保っていることも難しいかもしれません。ですが、意識が遠のいていなければできるだけ生き延びるための行動は必要です。
雪山にいかなければ殆ど実行することは無いですし、一生のうち1回あるかどうかの事ですので忘れてしまうかもしれませんが、その1回あるかどうかで少しでも生存できる可能性が上がるのであれば、雑学としてでも覚えておいて損はないと思います。○